鉄分

鉄分の主な効果は、赤血球のヘモグロビンと結びつくことで酸素の運搬や細胞呼吸を助けることです。一般的に「血液を造る」などと言われています。

鉄分の栄養素としての歴史は古く、古代ギリシャにおいて貧血治療に用いられた形跡があります。鉄分が不足すると貧血になり、運動機能や免疫機能の低下を招くこともあります。

鉄分の所要量は妊娠中期と妊娠末期には大幅に増えます。通常の所要量に加えて15mg多く摂取する必要があります。また、授乳中にも鉄分の所要量が増えますが(+2.5mg)、不足すれば乳幼児の鉄分の不足が問題となります。

食品中の鉄分の吸収率は非常に低く、その吸収率(1%未満~50%以上)は体内の鉄分の貯蔵量や食品に含まれている鉄分の形態によって左右されます。

大部分の食品に含まれている鉄分は非ヘム鉄であり、吸収率は悪いです。その一方で、肉や魚のミオグロビンやヘモグロビンに由来する鉄はヘム鉄であり、非ヘム鉄に比べてヘム鉄の方が2~3倍吸収率が高くなります。

また、ビタミンCの摂取は非ヘム鉄の吸収を促進します。穀物のふすまやフィチン酸、お茶や野菜類に含まれるポリフェノールなどは非ヘム鉄の吸収を阻害します。


(栄養機能食品の機能表示)鉄分は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。

(注意事項)本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。


鉄分の1日当たりの所要量(18~49歳の所要量の平均値)。

・男性…7.31mg
・女性…10.81mg
・男女平均…9.06mg

※女性の数値は月経(生理)ありの所要量。月経(生理)なしの所要量は下記を参照。

※鉄分の所要量は過多月経(月経出血量が80ml/回以上)の人が除外された数値です。過多月経に該当する場合は医師に相談してください。


(年齢…男性の所要量/女性の所要量)

・0~5か月…-mg/-mg
・6~11か月…5mg/4.5mg
・1~2歳…4mg/4.5mg
・3~5歳…5.5mg/5.5mg
・6~7歳…6.5mg/6.5mg
・8~9歳…8.5mg/8mg
・10~11歳…10mg/9.5mg(13.5mg)
・12~14歳…11mg/10mg(14mg)
・15~17歳…9.5mg/7mg(10.5mg)
・18~29歳…7mg/6mg(10.5mg)
・30~49歳…7.5mg/6.5mg(11mg)
・50~69歳…7.5mg/6.5mg(11mg)
・70歳以上…7mg/6mg

※女性の()なしの数値は月経(生理)なしの所要量、()内の数値は月経(生理)ありの所要量。


(妊娠中、授乳中は上記の所要量に下の数値を加える)

・妊娠初期…+2.5mg
・妊娠中期…+15mg
・妊娠末期…+15mg

・授乳中…+2.5mg


(年齢…男性の耐容上限量/女性の耐容上限量)

・0~5か月…-mg/-mg
・6~11か月…-mg/-mg
・1~2歳…25mg/20mg
・3~5歳…25mg/25mg
・6~7歳…30mg/30mg
・8~9歳…35mg/35mg
・10~11歳…35mg/35mg
・12~14歳…50mg/45mg
・15~17歳…45mg/40mg
・18~29歳…50mg/40mg
・30~49歳…55mg/40mg
・50~69歳…50mg/45mg
・70歳以上…50mg/40mg


鉄分の欠乏症は次の通りです。

・貧血
・運動機能や認知機能の低下
・体温保持機能の低下
・免疫機能の低下

小児においては、

・豊かな感情の減退
・集中力の低下
・いらいら
・学習能力の減退


健康な人が通常の食生活を送る限りは、鉄分の過剰症はほとんどありません。しかし、治療用の鉄剤などを過剰に摂取すると、便秘、胃腸障害、鉄沈着、亜鉛の吸収阻害などを引き起こすことがあります。

また、小児においてはサプリメントなどの誤飲によって急性鉄中毒を引き起こすことがあります。鉄分の過剰摂取は毒性が認められるため、急性鉄中毒の場合は重度の臓器障害や死を招く恐れもあります。


鉄分が多い食品の1~100位を掲載。(含有量は100g当たり)

・バジルの粉…120mg
・タイムの粉…110mg
・青のりの素干し…74.8mg
・鮎の天然の内臓の焼き…63.2mg
・川海苔(カワノリ)の素干し…61.3mg
・ひじきの干しひじき…55mg
・セージの粉…50mg
・岩のりの素干し…48.3mg
・アサリの缶詰の水煮…37.8mg
・木耳(きくらげ)の乾…35.2mg
・鮑の塩辛…33.9mg
・ヤツメウナギの干しやつめ…31.6mg
・チリパウダー…29.3mg
・カレー粉…28.5mg
・アサリの缶詰の味付け…27.8mg
・鮎の天然の内臓の生…24mg
・芥子(けし)の乾…22.6mg
・パプリカの粉…21.1mg
・緑茶のせん茶の茶…20mg
・胡椒(コショウ)の黒の粉…20mg
・豚のスモークレバー…19.8mg
・田螺(タニシ)の生…19.4mg
・鮎の養殖の内臓の焼き…19mg
・アサリの佃煮…18.8mg
・カタクチイワシの煮干し…18mg
・パセリの乾…17.5mg
・緑茶の抹茶…17mg
・紅茶の茶…17mg
・えごまの乾…16.4mg
・干しえび…15.1mg
・生姜(しょうが)の粉…14.1mg
・ココアのピュアココア…14mg
・胡椒(コショウ)の混合の粉…13.7mg
・あさの乾…13.1mg
・豚の肝臓(レバー)の生…13mg
・酵母のパン酵母の乾燥…13mg
・たけあずきの全粒の乾…12.5mg
・ハゼの佃煮…12.4mg
・唐辛子(とうがらし)の粉…12.1mg
・アマノリの焼きのり…11.4mg
・もがいの味付け缶詰…11.3mg
・マツモの素干し…11.1mg
・辛子(カラシ)の粉…11.1mg
・菊の菊のり…11mg
・干しわらびの乾…11mg
・アマノリのほしのり…10.7mg
・アラゲキクラゲの乾…10.4mg
・山椒(サンショウ)の粉…10.1mg
・ホタルイカの燻製…10mg
・緑茶の玉露の茶…10mg
・ごまのいり…9.9mg
・クローブの粉…9.9mg
・切り干し大根…9.7mg
・ごまの乾…9.6mg
・ほそめ昆布の素干し…9.6mg
・アマランサス(アマランス)の玄穀…9.4mg
・小麦胚芽…9.4mg
・大豆の全粒の国産の乾…9.4mg
・分離大豆たんぱく…9.4mg
・レンズ豆の全粒の乾…9.4mg
・わさびの粉のからし粉入り…9.3mg
・きな粉の全粒大豆…9.2mg
・濃縮大豆たんぱく…9.2mg
・大豆の全粒のブラジル産の乾…9mg
・干しずいきの乾…9mg
・削り節…9mg
・鶏の肝臓(レバー)の生…9mg
・大豆の全粒の中国産の乾…8.9mg
・大豆の全粒の米国産の乾…8.6mg
・刻み昆布…8.6mg
・繊維状大豆たんぱく…8.2mg
・アマノリの味付けのり…8.2mg
・湯葉の干し…8.1mg
・鮎の養殖の内臓の生…8mg
・削り節佃煮…8mg
・雀(すずめ)の肉の骨・皮付きの生…8mg
・粒状大豆たんぱく…7.7mg
・干しゼンマイの干し若芽の乾…7.7mg
・豚のレバーペースト…7.7mg
・空豆のフライビーンズ…7.5mg
・パセリの葉の生…7.5mg
・小豆のあんのさらしあん…7.4mg
・胡椒(コショウ)の白の粉…7.3mg
・マサバの鯖節…7.2mg
・蛤の佃煮…7.2mg
・アミの佃煮…7.1mg
・シナモンの粉…7.1mg
・梅の梅びしお…7mg
・高野豆腐…6.8mg
・唐辛子の果実の乾…6.8mg
・エゴノリの素干し…6.8mg
・白鮭のめふん…6.8mg
・牛の第三胃(センマイ)の生…6.8mg
・豆味噌…6.8mg
・小麦たんぱくの粉末状…6.6mg
・いかなごの煮干し…6.6mg
・にんにくのガーリックパウダー…6.6mg
・かぼちゃのいりの味付け…6.5mg
・フナの甘露煮…6.5mg
・調製粉乳…6.5mg