運動強度の違いと脂肪燃焼の効率

運動強度が弱いほど脂肪燃焼の効率がよく、逆に運動負荷が強くなれば強くなるほど脂肪燃焼の効率が落ちると言われています。その理由は運動負荷が弱いほどエネルギー源として脂肪が使われる割合が多く、負荷が強いほど炭水化物が使われる割合が増えるという現象があるからです。

また、運動は20分以上続けないと脂肪が燃焼しないという話を聞いたことがあると思います。ダイエットの目的は普通は脂肪を減らすことにあるので、それならば負荷が軽い運動を20分以上続けて行った方がよいのではないかと思うのが一般的な考えだと思います。

この考え方が本当に正しいのかを解説します。

運動強度の違いが脂肪燃焼量にどう影響を及ぼすのかという、健康な男子大学生を被験者とした実験がありました。

まずは食後3時間後に行う45分間の運動が中強度(最高酸素摂取量60%)の場合と低強度(最高酸素摂取量40%)の場合ではどちらの方が脂肪燃焼量が多いのか、という実験です。

どちらの運動強度の場合も運動開始後30分までの脂肪燃焼量はほぼ同程度だったようです。しかし運動開始後20分以降からは中強度の運動の方が脂肪燃焼量が徐々に増加し、運動開始後30分以降では脂肪燃焼量が有意に多かったようです。

これは強度が強い運動を行う場合は20分以上続けた方が効果的である、ということを意味しています。

また、運動開始後20分までの脂肪燃焼量を低強度の運動と中強度の運動で比べた場合、ほとんど差はなかったようです。これは運動強度が低強度でも中強度でも、運動開始後20分までの脂肪燃焼効率はほぼ同じであることを意味しています。

やはり運動中の脂肪燃焼効率は一般的に言われている通り、運動開始後20分たってから徐々に上がっていくようです。

では開始後20分までの運動はあまり意味がないのでしょうか?

運動中だけの脂肪燃焼量を考えてもあまり意味がありません。実際には運動後にも脂肪が燃焼するからです。

上の実験結果の通り、運動開始後20分までは主に炭水化物がエネルギー源として使われるため、脂肪の燃焼量は比較的少ないです。しかし体に蓄えられている炭水化物の量は多くないため、運動中に失った炭水化物の量だけ体内に再び蓄え直す必要が出てきます。

そのため、運動後の食事で摂取した炭水化物は運動中に失った分だけ再び体に蓄えられます。この蓄えられた分の炭水化物はエネルギー源としては使われず、その代わりに脂肪がエネルギー源として使われることになります。

結局のところ運動中の脂肪燃焼効率に一切関係なく、最終的には運動中に消費したカロリー分だけ脂肪が燃焼します。よって、運動強度や運動時間を気にするよりも総合的にどれだけのカロリーを消費したかが重要になってくるわけです。