加圧トレーニングは危険?

加圧トレーニングは腕や足の付け根に血流量を制限する専用のベルトを巻くことで、比較的短時間の運動で筋力アップを図るトレーニングです。その効果としては筋力アップのみならず、血流促進や成長ホルモンの分泌促進、それに付随するアンチエイジングや美肌効果などがあるとされています。

加圧トレーニングを編み出すきっかけとなったのは、正座により足がしびれた時の筋肉の状態がハードなトレーニング後の状態に似ていることからのひらめきだそうです。

血流が制限された状態の運動がより大きな効果を生むという考え方は、空気の薄い高山で有酸素運動を行うことで心肺機能をより向上させるという考え方と似ているような気がします。

しかし加圧トレーニングは人為的に血流を抑制させるため、危険性が全くないわけではありません。加圧トレーニングを原因とした事故も発生しています。

加圧トレーニングによって発生した事故としては静脈血栓、肺塞栓症、横紋筋融解症(重症の場合には腎機能の低下)など血流に関するものが多いようです。その他としては皮下出血、麻痺、脳貧血、めまい、動悸、脳梗塞などといった報告があるようです。

トレーナーの指導の元で行う場合も上記のような事故が発生する場合があるわけですから、個人で行うのはより危険な行為だと言えます。加圧ダイエットが流行っているという理由だけで自己流で体をゴムで縛ってトレーニングをすることは避けるべきです。

また、血栓に関する持病がある場合は無条件で加圧トレーニングを控えた方がよいと思います。

加圧ダイエットに関するアンケートを医師100名に対して行ったところ、70%が勧めないと回答したようです。これは「アスクドクターズ」というサイトが行った調査結果です。

医師に対する問いは「家族や友人が加圧ダイエットを望んだ場合、勧めますか?」で、「勧めない」の54%、「絶対に勧めない」の16%を合わせると70%が加圧ダイエットを勧めないという結果になっています。理由としては健康に悪影響を与える可能性があるからだそうです。

逆に「勧める」と回答した割合は21%でした。