脂肪燃焼は運動開始後何分から?

運動を始めてから脂肪が燃焼するまでに20分かかるとよく言われます。例えばジョギングなら走り始めの20分までは体に蓄えられている糖質(筋肉に蓄えられたグリコーゲン)しかエネルギーとして使われず、20分経過してから初めて脂肪が燃焼し始めるという内容です。

では、運動開始後20分までは体脂肪を減らしたい人にとって、ダイエットの意味が全くないのでしょうか?

ジョギングによる消費カロリーは大まかに言って体の重さに距離をかけたもので決まります。例えば体重45キロの人が1キロの距離を分速134mで走った場合、消費カロリーは約40kcalです。体重90キロの人が同じ距離を同じ速度で走った場合、消費カロリーは単純に倍になって約80kcalになります。

走る距離によっても消費カロリーは比例します。例えば体重45キロの人が10倍の10キロの距離を走ると、消費カロリーも10倍の約400kcalになります。

ここで注目するべきポイントですが、体重45キロの人が分速134mで1キロ走る場合、所要時間は約7.5分です。同様に10キロ走る場合の所要時間は約75分です。

1キロ走る場合は7.5分しかかからないのでジョギング開始後20分はまだ経過していませんが、75分かけて10キロ走る場合の10分の1のカロリーはちゃんと消費できているということです。

ジョギングの時間が20分未満でも20分以上でも、一定の距離に対する消費カロリーは同じなのでダイエット効果も全く同じというわけです。

運動時間がたとえ20分未満であっても脂肪の燃焼は必ず起こりますので、一度開始した運動は必ずしも20分以上続けなければならないというわけではありません。

一定時間の運動に対する消費カロリーは運動の継続時間に関わらず同じなので、例えば朝と夕の2回に分けて15分ずつジョギングを行えば、一度に30分のジョギングを行うのとダイエット効果は全く同じになります。

では、なぜ20分以上運動を行わなければ脂肪が燃焼しないと言われているのでしょうか。

体の筋肉と肝臓にはグリコーゲンという形でエネルギーが蓄えられています。運動を開始して約20分くらいはまず筋肉に蓄えられているグリコーゲンがエネルギー源として使われ、それ以降はエネルギー源が体脂肪に切り替えられます。このため運動開始後20分たたなければ脂肪が燃焼しないと言われているのです。

しかし、運動時間が20分未満であって筋肉内のグリコーゲンしか使われていない場合であっても、カロリーを消費している事実に変わりはありません。次の食事の時に摂取したカロリーが筋肉内にグリコーゲンとして優先的に蓄えられるか、それとも体脂肪として蓄えられるかの違いがあるだけです。

ダイエットをして体脂肪が1キロ減るしくみはカロリーを7200kcal消費することです。結局のところ20分以上の運動を行っても20分未満の運動を小刻みに行っても、運動の合計時間が同じなら同じだけ体脂肪が減っていくということです。