餅(もち)

餅(もち)の100g当たりのカロリーと多い栄養を掲載しています。

・餅…235kcal



餅(もち)に多いビタミンとミネラル…含有量(所要量に対する割合)
 ※所要量は18~69歳の男女の平均値で計算


パントテン酸…0.57mg(11.0%)

餅に特別多く含まれるビタミンはありませが、パントテン酸の含有量(100g当たり0.57mg=1日必要摂取量の約10分の1)は他のビタミンより多めです。

ビタミンA、C、Dの含有量はゼロで、ビタミンB群と葉酸の含有量は微量です。

モリブデン…45μg(180.0%)
銅…0.22mg(27.5%)
マンガン…0.81mg(21.6%)
亜鉛…1.4mg(13.3%)

餅に比較的多いミネラルは銅とマンガンです。亜鉛もある程度含まれています。



餅の主要な栄養成分は炭水化物(100g当たり50.3g)です。たんぱく質の含有量は100g当たり4.2gです。


餅は太ると言われたり、あるいは腹持ちがよいから太りにくいなどと言われたりしますが、どちらが真実なのでしょうか。また、餅と普通のご飯ではどちらの方が腹持ちがよいのでしょうか。

まず最初に考えておく必要があるのは、摂取カロリーが同じであれば太る、太らないに関しては全く同じ結果になるということです。よって、餅を食べようが普通のご飯を食べようが、摂取カロリーが全く同じであれば同じだけ太る、ということです。

それでは太りやすさを決めている要素は何でしょうか。それは腹持ちがよいか悪いか、という要素です。腹持ちがよければ当然、空腹を感じない時間が多いので摂取カロリーは自然と減ります。


実は、餅の腹持ちは普通のご飯と比べれば悪いです。そうはいってもその差はほんのわずかで、それほど気にしなくてもよいレベルといった感じです。

餅のカロリーは澱粉(炭水化物)が主体であり、餅の澱粉はほぼアミロペクチンだけで構成されています。これに対して、普通のご飯の澱粉は約20%のアミロースと約80%のアミロペクチンから構成されています。

アミロペクチン1つはグルコースが枝分かれした構造をし、アミロース1つはグルコースが直鎖状に連なったものです。この構造の違いにより、アミロペクチンの方が消化吸収が早いです。

いくつもに枝分かれした一本の枝と、枝分かれしていない一本の枝をハサミで切る時、一回ハサミを入れる度にどちらの方がばらばらになるのが早いか、を想像すればわかりやすいと思います。

一直線の枝は一回ハサミを入れる毎に2つ以上には切り離せません。これがアミロースのイメージです。これに対して、枝分かれの多い枝は一回ハサミを入れる毎に複数へと切り離される可能性が高いです。これがアミロペクチンのイメージです。

上記の通りアミロペクチンは消化吸収が早いため、血糖値を急上昇・急降下させ、すぐにお腹がすいてしまいます。体の構造として、血糖値が上昇した時には満腹を感じ、血糖値が低下した時には空腹を感じるからです。


米の腹持ちのよさを決める要素の1つが、上記の通り澱粉を構成する成分としてアミロースが多い(腹持ちがよい)か、アミロペクチンが多い(腹持ちが悪い)かの違いです。

上に「普通のご飯の澱粉は約20%のアミロースと約80%のアミロペクチンから構成されています」と書きましたが、実は最近の米はアミロースが少なくなってきています。なぜなら、アミロペクチンが多いほど味がよいため、品種改良でアミロペクチンが多くなってきているためです。

以前はアミロースの割合が23~28%のような米もあったようですが、最近の米のアミロースの割合は15~20%くらいだと言われています。この理由から、餅と普通のご飯の腹持ちの差はそれほど気にしなくてもよいレベル、だというわけです。

本気で腹持ちのよい米を求めるなら、アミロースの割合が多い長粒種のインディカ種(タイ米など)がよいでしょう。